Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

深耶馬渓ゴールデンウォーク

     
 快晴の29日「昭和の日」、緑滴る深耶馬渓の8キロを豊声会仲間3人とともに歩きました。昨年の11月23日紅葉の深耶馬ウォークを楽しんで以来、今度は新緑の深耶馬渓のウォークです。やはり、紅葉と新緑の両方の景色を見なければ、耶馬渓の素晴らしさを満喫したとはいえませんね。
 玖珠方面から県道28号線を耶馬渓方面に走ると峠に「鹿倉トンネル」がありますが、このトンネルを境に玖珠の景色と耶馬渓の景色がガラッと変わるのに気付きます。南の玖珠の側は女性的な丸みを帯びた山々に若緑が映えていますが、トンネルをくぐった北の耶馬渓は、男性的な屹立した岩石を囲む緑の景色となります。峠を下っていく県道の前後左右の、あまたの奇岩秀峰に目を奪われます。一目八景・錦雲峡などには「七福岩」「夫婦岩」「仙人岩」「軍艦岩」「烏帽子岩」など、なるほどな、と思えるネーミングの奇岩ばかりです。この奇岩がどのようにしてできたのか、ちょっと知りたいところです。
 新生代第3紀の終わり頃に噴出し始めたと考えられる耶馬渓火山は、固い花崗岩が基底で、その後の活発なガス爆発によって作られた集塊岩が耶馬渓式風景の主体をなしています。その後旧耶馬渓式溶岩噴出時代を経て新耶馬渓式溶岩噴出時代を迎え、集塊岩より固い、縦向きの節理(規則正しい割れ目)の多い岩石が誕生します。これらからなる溶岩台地を刻んだ峡谷が、垂直な絶壁と石柱の林立とを今日まで残し、我々の目を楽しませているということです。
   
 峡谷に累々と転がっている巨岩のほとんどの縁が鋭角に、まるで石切場で切られたように見えるのは、柱状節理の耶馬渓溶岩の特徴だというわけです。「耶馬日田英彦山国定公園」の中のおなじ耶馬渓でも、ここ深耶馬渓・裏耶馬渓や西椎谷の滝・岳切渓谷などの椎屋耶馬渓は「新耶馬渓式風景」で、青洞門の本耶馬渓・八面山などの東耶馬渓羅漢寺渓などは「旧耶馬渓式風景」だそうです。
 谷川では河鹿の恋の季節と見えて、メスの歓心を引くべくオスたちの美声の競演が展開されていました。
せせらぎの恋の河鹿のいづこより
見上げると、逆光に映えるカエデの若緑が目にしみます。
   
 我々はフリーウォークの常として、できるだけ最後尾近くをのんびり歩きますが、とりわけ私は道草坊やで、今回もしんがりを歩きました。景色や木々や草花が気になって仕方がなく、ついついデジカメを向けるからです。このコースのほとんどは県道沿いの歩道を歩きましたが、舗装と縁石の間の土も見えない、いたるところにタンポポやフキ、スギナなどの≪根性生え≫が見られました。以前から探していた、絮(わた)になる直前のタンポポを見つけようと足元ばかり見ていたら、何とかそれらしきものに出会えました。
   
渓風に絮を委ねて鼓草 
ゆっくり歩いてスタート地点に戻ると、すでに新緑祭の片づけにかかっていましたが、神楽はまだ続いていました。でもその神楽もお開き直前のようでした。
   
新緑を透かして見ゆる里神楽 
空き腹に名物のやまかけそばがおいしかった。最後に、秋のウォークの際にも行った「もみじの湯」にゆったり浸かり、いい汗を洗い流しましたが、フィトンチッドを胸一杯に吸った数時間の森林浴を気の置けない仲間と楽しむことができた1日でした。
 さまざまな団体の協力と意気込みで実現した新緑祭とあって、主催者他関連団体のお歴々のご挨拶の連続に辟易し歩く前にすでに疲れを感じましたが、すばらしい天気と滴るような緑のおかげで、この「挨拶オンパレード」も受忍限度内の許容範囲という寛い気持ちになりましたね。