Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

自然の循環

 

今日も小春日和だった。こんな日にデジカメをぶら下げて、さまざまな色の落ち葉の小径をさわさわ踏みしめて歩くと、心身が浄化するような気がする。この落ち葉は小さな虫や菌によって分解され、養分に充ちた土となって木々を育てる。草が枯れ、落葉樹が裸となって寒々しい風景となるが、その下では次なる生命のもとになる肥えた土が作られているわけだ。
 散歩道の山際や民家の庭先、街路樹には色の付いた実が目を楽しませてくれる。クロガネモチ(ナノミ)の並木には、実が赤く熟れるや否やもうヒヨドリが食べに来ていた。昨年は我が家の裏山に自生している大きな木のクロガネモチは、もうしばらくは赤い実を楽しみたいと思っていたのに、1日のうちにムクドリの大群に食べ尽くされてしまった。
秋になって小鳥たちは、色づいた木や草の実をめざとく見つけてしきりに啄む。そして消化されない種をあちこちに落としていく。それが芽吹いて、雑草や雑木が増えていく。我が家の狭庭にも植えた覚えのないナンテンやクロガネモチが生えている。自然はうまく循環しているものだ。
♪赤い鳥 小鳥 なぜなぜ赤い 赤い実を食べた♭
 俳句では秋の季語に「色鳥}がある。アトリやヒタキ、ヒワなどの渡り鳥は美しい色をしている。
 色鳥や書斎は書物散らかして  山口青邨
 尉鶲(じょうびたき)は黒い羽に白い紋があるのでモンツキドリともいい、人をおそれず、庭先に来てはヒッヒッカタカタと鳴きながら尾を上下に振る。尾を上下に振れば必然的に頭も上下する。さながらお辞儀をしているようで愛嬌がある。この小鳥は常に単独行動で、決して群れることをしない。愛嬌がありながら、礼を失することなく、紋付きを着て毅然としている。オスは縄張りに他のオスが来ると猛然と追い返す。メスはオスにくらべ、地味な色をしている。
 今朝も来て一礼二拍尉鶲  剛誠