Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 益軒センセの健康相談

       

私(以下、問):先日、生牡蠣に中ってしまいました。以前10年ぐらい前、飲み会で生牡蠣に中った同僚が3,4人いたとき、私は中らない方の何人かの中に入っていたのに。でも、食べる前に一瞬「だいじょうぶかなあ」とは思いましたし、食後、ちょっと食い過ぎたかなーと思ったり。

貝原益軒センセ(以下、答):さし身、鱠(なます)は人により斟酌すべし。酢過ぎたるをいむ。虚冷の人はあたため食ふべし。鮨は老人・病人食ふべからず、消化しがたし。
食物の気味、わが心にかなはざる物は、養とならず。かへって害となる。心にかなはざるして、害となるべきものは食すべからず。
 
問:そうか、もう前期高齢者だもんなあ。そういえば最近は肉より魚の方がいいなあ。とはいえ、年取ったら肉類は元気のもとだっていう識者もいるが、どうなんでしょう?

答:諸獣の肉は日本の人、腸胃薄弱なる故に宣しからず。多く食ふべからず。消化しがたし。

問:美味しい物が目の前にあると、ついつい食べ過ぎるんですよね。

答:飲食の慾は朝夕におこる故、貧賤なる人はあやまり多し。況や富貴の人は美味多き故、やぶられやすし。殊に慎むべし。中年以降、元気へりて、男女の色慾はやうやく衰ふれども、飲食の慾はやまず、老人は脾気よはし。故に飲食にやぶられやすし。老人のにはかに病をうけて死するは、多くは食傷也。慎むべし。
  
問:そろそろ忘年会が近づいているのですが、気心の知れた仲間との飲み会で、ブレーキがかかるかなあ。

答:交友と同じく食する時、美饌にむかへば食過ぎやすし。飲食十分に満足するは禍の基也。花は半開に見、酒は微酔にのむといへるが如くすべし。興に乗じて戒を忘るべからず。

問:センセのお言葉いちいちごもっともですが、「…すべからず」ばっかで、ちょっとストイックすぎませんか。定額給付金とか年金問題とかおもしろくないことばかりで、何かパーとやってスカーッとしたいところですがね。

答:一時の慾をこらえずして病を生じ、百年の身を誤る。愚なるかな。長命を保ちて久しく安楽ならんことを願はば、慾をほしいままにすべからず。

答:結局「すべからず」ですね。でも、江戸時代に85歳まで生き抜いて84歳のとに『養生訓』を著されたのだから、センセの長寿の秘訣のお話には説得力がありますよね。しかし、縁無き衆生の私には、センセの有り難い訓えはあくまでも努力目標ということで…。
 ありがとうございました。