山国案山子ワールド
このところ秋の恒例の風物となった案山子ワールドが、今年も中津市山国町の刈田のあとのそこかしこに展開されている。
こん牛ゃ、今でん動こうごたるのお、よおでけちょる。
金太郎さんもいかにも強そうじゃのお。
子どもは神楽が好いちょるんよ。男ン子が鬼にしかかっちいきよら。
大蛇退治は、おなごン神様じゃったろかの?
祭りン晩にゃ、子ども相撲がありよった。ついー(強い)子は、賞品をいっぺ(たくさん)貰いよった。
「まっすぐ引かんかー!」「しゃんと押しない!!」
昔はどこも子が多かった。けんど、子どもが飢え死にしたちゅう話は聞かんじゃったのお。
「こらー、また俺ンかたん柿ン木に登っちょらー!!落てんごつ降りちこい」
夜なべで炭俵を編む爺さんもおった。
餅つき三態
蒸籠(せいろ)でうむす(蒸す)
搗く・あいどり
ちぎる・もむ
大きな額縁の前から額を見ると、そこには見事な紅葉の風景画。後ろの実景が額縁にはまるという仕掛け。さしずめ“ナマ絵”だ。good idea!
床ン下も泥だらけじゃのお。
つまらんじゃろうけんど、干してみるか。
福島でも元気づけたフラガールがこの町にも出現
7月に2回も未曾有の大洪水に見舞われた山国川水系。ふるさとの山国町の各所も大きなダメージを受けた。今年はあの案山子ワールドもできないだろうと思っていた。あにはからんや、今年も沿道の刈田あとには、賑やかな愉快な案山子の数々を見られ、リアルな作りに遠い日の暮らしを懐かしむことができた。
この町の人々のクリエイティブな発想の豊かさと、過酷な災害をはね飛ばす逆転のアイデアには脱帽である。お餅がおいしかった。
山国の案山子祭りはさながらに農業博物館のごと見ゆ