Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 その2 山の巻 坊がつる登山

9月に予定していたこの登山計画だったが都合で遅らせ、自然が晩秋から初冬のおもむきを見せ始めた秋気澄む好天の11月3日(土)文化の日に実施。豊声会のMさん.Hさんと、Mさんの仕事を通じた友人のSさん・Tさんの5人パーティーである。みんな65才以上、中でもわが輩が古希過ぎの最年長である。
HさんとともにMさんの車に同乗させて貰って、Mさん宅を8:00に出発.R210〜長湯庄内湯平広域農道〜県道621号線を経て、大船林道入口駐車場下車が9:35。これからは経験豊かなSさんの先導で鳴子川右岸の山道を登る。
   
半分ほど葉を落とした落葉樹林を透かして右下に鳴子川の清流を見、せせらぎの音を聞きながら山道を登る。所々の木に結んである赤いテープの目印に添って歩を進めるが、道は大木の根が走り、石が転がり、急坂が目の前に迫る。通販で買った、初デビューのトレッキングポールのゴリヤクを味わった。 
        
見上ぐれば紅葉かつ散る鳴子川
  
  
途中、この道本当に大丈夫かな、と不安になるほどの難路を上り詰めること2時間、大船林道に出てやっと平坦な道となった。
 
鳴子川上流に架かる鳴子橋をわたると急に視界が開け、11:35に平治岳(ひいじだけ)、三俣山(みまたやま)の裾に広がる坊がつるに到着。
思わず口笛で「坊がつる讃歌」を吹く。
その6番の歌詞
「深山紅葉(みやまもみじ)に初時雨 暮雨(くらさめ)滝の水音を
 佇み聞くは 山男 もののあわれを知る頃ぞ」
※「坊がつる讃歌」については九重の四季のサイトから「坊がつる讃歌」をクリックするとこの歌のナゾにたどり着く。
  
  
下界の晴れた空からここでは曇り空となり、肌寒い。一面の枯れ芒に囲まれて昼食。
盛りはやや過ぎたとはいえ、♪赤や黄色の 色さまざまに♭の唱歌そのままの紅(黄)葉の山が美しい。
  
道の脇にたった一つ、リンドウが咲いていた。誰も盗って持って帰るなよ。
  
一輪のリンドウ凜と坊がつる
12:30、坊がつるに別れを告げ、帰路は暮雨の滝ルートで鳴子川左岸を下る。
  
深く積もった落ち葉の絨毯の平坦な道を歩くのは、じつに気持ちが良い。途中、大岩の中を割って生えている木に巡り合った。周りを大きな葛が巡っている。木も岩もどっちもいい根性だ。
  
このあたり、谷川に向かっていくつもの獣道が走っている。
どんぐりは猪への恵みけもの道
倒木の陰から顔を見せているのはツリフネソウらしい。上の方が折れているのは、心ない登山者の仕業だろう。
   
朽ち木がすっぽり緑の苔に覆われているのも美しい。やがて腐って微生物を育てる栄養分豊富な土となり、再び木や草や花を育むという自然の循環を長い年月をかけて繰り返すのだろう。
生きるとは繰り返すこと枯木立
  
途中、暮雨の滝は見ずにそのまま下ったこのコースは、往きの登り道よりさらに急峻で30度もあろうかという坂であった。このコースにはトレッキングポールが欠かせない。14:10、出発地点の駐車場に到着。道ばたには名も知らぬ何やら赤い実の草が、自己主張していた。
  
今日のコースは、若葉の季節も素晴らしい自然が味わえそうだ、そのときはやはり、今日の往きと同じ鳴川右岸を往復しようや、というのがみんなの共通認識だった。 
 ここでSさん・Tさんと別れ、我々3人は長者原〜牧ノ戸〜瀬の本〜県道30号へ進み、小津留湧水で喉を潤してR210号線経由で大分へ着いた。Hさんと別れ、豊声会ウォークのいつものように、最後の締めはMさんと挾間町の極楽温泉で汗を流し、極楽気分に浸った。ここの湯はアルカリ泉でぬるぬるした感じで湯冷めしにくいようだ。別府に帰着してからもポカポカしていた。冬場にはもってこいのお湯だと思った。
皆さんとともに身も心も洗われる山歩きをさせてもらった。特にドライバーのMさん、お世話になりました。 
年齢も山も高きに味が出る ナーンチャッテ(笑い)

自分史に賞罰のなし文化の日