Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 感動の写真 

        
今年も立命館アジア太平洋大学(APU)で開催された「世界報道写真展」を見に行った。この作品展は、世界各地で撮影された報道写真の最高峰を紹介するもので、オランダの世界報道写真財団が開催するコンテストの入選作品展である。
一見戦争写真かに見える上の写真は、ローンを払えずに立ち退きになった住民の家を保安官がパトロールしている場面だという説明がついていた。アメリカの経済危機の、市民生活に及ぼす断面を活写した大賞受賞の作品である。
        
この写真、アフリカのどこかの部族が狩りをしているのかと思ったが、それにしては人間が多すぎるし、人物に動きが感じられない。説明によると、弓矢で相手を威嚇しているケニアの部族間対立を撮影したものだという・戦の図なのだが、古来の伝統に従い互いに矢を打ち合い、接近戦は滅多にないのだそうだ。何とも平和的?な戦い方だと思うが、それでも年間に200人の死者を出したというからまぎれもない戦争である。
この写真は今回の展示200点の中で唯一の日本人のフリーカメラマン・千葉康由氏の作品で、「ニュースの中の人びと」の部、第1位に輝いた。
報道写真は、瞬間の1枚の中に時代、世相、社会、自然などいろいろな要素を写しこみ、見る者の想像力をかき立て、考えさせる。風景やポートレート写真とは違ったテーマ性を持つこの世界報道写真展は、毎年見逃せないのである。会場のAPUが近距離なのも、ありがたい。入場料は500円だが、今年はA新聞社から招待券を頂いた。これまた、ありがたかった。