Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

給付金

給付金については言いたいことが多すぎて、ブログに書く気にもなれなかった。
「全世帯に実施」→「貧しい人や生活に困っている人に給付」→「1億円も収入のある人はもらわないのが普通。人間の矜持の問題」→「政府や党がもらえとかもらうなという種類のものか、消費刺激に意味がある。私がもらうかどうかはその時に考える」このようなぐらぐらぶれる発言が一人の人間の、それも総理大臣の発言とは…。生活困窮対策か景気刺激対策なのかハッキリしないが、いずれであれお粗末な発想で、野党から天下の愚策と批判されているのもうなずける。たかが1万円そこらで貧窮対策にも消費向上・内需拡大に繋がるなど素人でも考えない。外国ではどうなんだと思っていたら、1月10日付愛媛新聞のコラム「地軸」に次のような記事を見つけた。一部抜粋させてもらう。
「…縁起のよい真っ赤な袋で(お年玉を)渡すことから、台湾では〈紅包(ホンパオ)〉という人が多い。なんと今年は行政院から紅包が出るそうだ。景気対策として住民全員に「消費券」を支給する。購買意欲が高まる春節(1月26日)前に需要底上げを狙う。政策給付は海外では珍しくない。未曾有の世界不況で、ドイツも金券を配る方向だ。オーストラリアはクリスマス前、中低所得者層に向けて支援金を出した。フランスやイタリアも現金方式だ。国内総生産への貢献は少ないと認めつつも、各国は時期を逃してない。何よりも額面が大きい。日本円の価値にすると、一人に3万円から5万円。世帯あたりでは10万円単位になる。消費の質も変わってくる。一人に1万円程度。クリスマスの贈り物でも、お年玉でもない。入学祝いにさえ間に合いそうもない日本の生活支援策…えっ、景気対策?…」
給付の「給」って何だろう。とっさに浮かぶ「給付」「支給」「給料」「供給」「配給」「給食」「有給休暇」「給与」、現職の昔、「○○号俸○○号給を給する」といういかめしい辞令をもらったなあ。そこで「給」を広辞苑で引いてみた。(1)物が足りるようにすること。「供給」「需給」(2)与えること。たまわること。「給付」「配給」(3)賃金。報酬。「給料」「初任給」(4)世話をすること。「給仕」「女給」とある。
今回の定額給付金は(2)の意味である。上の者から下の者に「くれてやる」、下の者が上の者から「戴く」というニュアンスが込められているのが「給付金」という名称である。財源は埋蔵金であろうが何であろうが、出所は国民の税金である。であれば、「返戻金」とか「還付金}とか言う方が実態にあっているのではないか。
言葉、文字の微妙な使い分けによって日本語は豊かにも貧しくにもなる。詩歌や小説を読み書きするときだけでなく、書いたり喋ったりするときの文字や言葉に敏感になるということは、事柄の本質に迫るためにも必要と思われる。
 今日は大相撲初場所の初日であるが、注目は何といっても朝青龍の相撲内容である。「大相撲」、よく見れば「大いに相い撲(なぐる)」と書く。拳は禁じ手であるが、「張り手」は認められている。認められてはいるが、あまり褒められる手ではない。昨年は土俵の外で新弟子を殴ったり叩いたりして死に至らしめた兄弟子や親方がいたが、「相撲」道とは何かを読み違えた典型だ。たった今、新大関日馬冨士が嘉風に一瞬の送り出しで敗れた。先場所11勝4敗で敢闘賞を受賞した嘉風は、今や、大分県出身の大相撲力士の花である。頑張れ嘉風大関在位60場所歴代1位(喜ぶべきか、それとも…)の千代大海垣添もがんばれ。注目の朝青龍が稀勢ノ里に勝って白星発進だ。相手を土俵外に出した後、どんと突き出す例のダメ押しも健在だ。