Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

元日つれづれ

    

金融危機・経済不況・株価暴落・円高非正規社員解雇・派遣切り…サブプライムローン、リーマンブラザーズ破綻によるアメリカ発の金融危機の混乱が日本にも多大なダメージをもたらした。
230年も前、経済学者のアダム・スミスは、個人の利己的な利益追求が、“見えざる神の手”によって物の需給や価格の安定をもたらすという自由な経済活動を促す理論を発表したが、今やこのような古典的な理論は現実的でなく、政府の積極的な政策によって金融や経済の安定を図ろうとしている。にもかかわらず、アメリカ経済は大混乱に陥った。現今は市場原理主義に基づく自由主義経済により、株の売買による利益や損失は億兆の単位で世界を飛び交う。日本では構造改革路線の規制緩和非正規社員が3分の1を占めるという異常な労働市場のもとに、社内で景気の調整弁としての派遣労働者は、不景気になったら簡単に首切りにあう。このような、政策によって出てきた矛盾は政策によってでしか解決しない。今日の政治の責任は、与党野党を問わず政治家全員に負わされている。と、何だか社説の論調の真似みたいな事を言ってしまったな。

 そもそも幸福の目安とは何だろうか。今は、ひたすら豊かさ、便利さ、早さ追求が即、幸福追求ということになっていると思われる。あらゆる経済活動もこの三要素の実現と売買の競争で成り立っている。その過剰な競争の結果、物を作る側、売る側、買う側に様々な問題や矛盾が生じている。そろそろ“作られる欲望”を抑制する方向に一人一人が向かわなければ、この国は危うくなる。仏教の言葉に「求不得苦」がある。求めても求めても得られない物を求めることは業苦であるということだが、少なくとも必要以上に求めない、足るを知るということだ。少々の不便は我慢する事も必要。人より常に早くもくたびれる。スロウライフもよし。とはいえ物欲からの自己解放は言うはやすしであるが。携帯電話を持たない私は、前記三要素からほんの少し離れている。
 屠蘇酒でかなり朦朧とした頭で、年頭教書、いや単なるくだをまいてみた。