Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

新聞が無いと困る

我が家の定期購読紙は1紙のみであるが、時々の話題や事件について他紙はどう報道しているだろうかと思うときがある。こんな時に、ネット上の「くらべる一面」を読む。朝日、日経、読売の一面のトップ記事や注目テーマを比べながら読むことができ、三社のカラーやテーマに対するスタンスが理解できる。
比べ読みでもっと面白いのは各社の一面下段のコラム欄だ。朝日の「天声人語」、読売の「編集手帳」、毎日の「余録」、日経の「春秋」、産経の「産経抄」等の全国紙のコラム。これに劣らず地方紙のコラム欄もなかなかの健筆が多い。北海道新聞の「卓上四季」、東京新聞の「筆洗」、神戸新聞の「正平調」のほか中国新聞愛媛新聞西日本新聞熊日新聞、宮崎日々、南日本、佐賀、長崎、沖縄タイムス琉球新報etc。終わりの方は省略してしまったが、その筆力において決して全国紙に引けを取らない。なぜか地元紙のOG社は日々の社説もコラムもネット上に公開していない(10月21日現在)。以前、OG社にメールでなぜ公開しないのか尋ねたら、「どうぞ新聞をご購読ください。」とのことだった。
各社のコラムニストはその新聞社で長い経験を積んだ、ベテランの有能な記者達であろう。各方面への該博な知識に裏打ちされた豊かな表現力で、時に鋭くあるときは暖かなペンによる文章を読むとき、筆者の人柄さえ伝わってきてあじわいぶかい。
かつて大学入試に「天声人語」からの出題が何度かあって、高校教師が受験生に「天声人語」必読を勧めたものだ。筆者は記者冥利に尽きる思いだったろうが、勧めた教師も朝日しか読んでなかったのだろう。
それはさておき、日経と西日本新聞のコラム名が「春秋」と全く同名なのだがどっちが先に命名したのだろう。マスコミとして命名権、商標で争わないのが不思議な気もするが、両者ともきっと大人なんだろうな。
一紙しか取らずに、このように各紙を読み比べられるというのはインターネット時代のありがたさである。だが、新聞も新聞紙もが無くては困る。弁当箱やおすそ分けの野菜を包んだり、長靴の湿気取りに丸め込んだりするのは新聞紙でなくてはならぬ。パソコンではこんなことはできないもんだ。