Himagine雑記

思いついたときに気ままに書く雑記帳

 チェ39歳 別れの手紙   

 
「チェ 28歳の革命」を観たのはちょうど1ヶ月前だったが、今日は第2作を観た。今日がシネフレックスでの上映最終日というのに、平日のせいか観客はわずか8人だった。
第1作が若きチェ・ゲバラフィデル・カストロの右腕となってキューバ革命を成功させた物語りであったのに対し、第2作のこれは、ゲバラボリビア革命に挑んで失敗して壮絶な死を迎えるまでの話である。
キュウバ革命後、サトウキビ畑を見に行くと言ったまま忽然と姿を消したゲバラについて、カストロ共産党中央委員会の場でゲバラカストロに宛てた“別れの手紙”を公表する実際の映像から映画は始まる。ある日、“ゲバラの友人”のラモンと名乗るハゲ頭の男がゲバラの留守家族に現れ、妻子と食事を共にする。変装に気付かない子どもたちと夫と知りつつ平静を装う妻。これが家族との最後の晩餐であった。ゲバラは変装したままボリビアに入国し、民衆を苦しめるボリビア独裁政権打倒のためにゲリラ兵を募り、山中で戦闘訓練をしながら仲間を増やし、現地の農民に武力革命の必要を説く。農民には常に敬意を払い、代金を払って食料を買い付けるが、目をわずらったこどもの手当をするなどして村人の信頼も集める。しかし、ゲリラを捜しにやってくる政府軍に脅されたりだまされたりする村人が増えていき、ゲリラの所在を教えてしまう。やがて食料・弾薬・武器・医薬品も底をつき、物量に勝る政府軍に追いつめられていく。ゲバラは持病の喘息に苦しみ、ゲリラ内の規律も統率力も疲弊し、ついにボリビア山中の戦いも敗北を喫する。ゲバラは仲間と共につかまり、あえなく銃殺される。
       
ゲバラキューバ革命と同じ思想と戦略と戦術で武装闘争を決行したのだが、ボリビアの状況はキューバの時とはかなり違っていた。ボリビア独裁政権は、隣りのキューバの二の舞は踏ませないという強固なゲリラ対策の軍事訓練で鍛えた戦士を送りこんだ。また、支援を要請した共産党からは武装闘争に反対されてしまって孤立無援の戦いとなってしまっては、もはや革命成功は不可能だった。   
キューバ革命後、約束された地位や市民権、家族まで投げ捨てて民衆救済のための武装革命を貫き、志半ば39歳で逝ったチェ・ゲバラは早くも伝説化されて映画になったというのは、今年がキューバ革命50年だからであろう。ソダーバーグ監督はこの2作品でオスカー賞の監督賞を受賞。ゲバラを演じ、製作も務めたベニチオ・デル・トロは風貌が実在のゲバラそっくりだった。どこか古谷一行に似ていた。